塩川香世著「第二の人生」の編集を終えて

2009.10.29 Thursday

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    栞のイラスト少し重い話題が続いたが、ここらで僕の仕事について書いておこうと思う。
    自己紹介のところで少し触れたが、僕自身は62歳で少し強引にではあるが定年退職し、今、第二の人生を、小さな出版活動を通し、本当のことを伝えていけたらと、そのことに人生の意味を見いだそうとしている。
    30代も中盤にさしかかった頃、ある高校の校長先生に出会った。それが田池留吉氏だった。彼は「人間は意識ですよ、その肉体があなたじゃないですよ。肉を中心とした生き方は間違っていますよ。」と、学校の休みの日は、そんな話をいろんな場所で話されていた。彼の話を聞くため、我が家の女房まで、日曜ごとに足を運ぶ始末。
    僕はそれが許せない。「女房たるもの、日曜日は家にいて亭主や子供の面倒を見るべきだ。校長先生だかなんだか知らないが、今はやりの新興宗教に違いない」と、田池氏の自宅を調べだし、単身、適地に乗り込む勢いで、田池氏の家に殴り込みをかけた。
    こう書くと威勢がいいように聞こえるが、威勢のいいのは最寄り駅まで。近くに来ると、「留守に違いない、またの機会にしよう」と急に心が萎えていく。
    用もないのに近くにある太子廟を訪ね、「耳に良し、書きてなおよし、和すことの、行うことの難しきかな」等と、歌をつくって時間つぶしをしたり……どうにも情けない自分に嫌気がさし、留守だったら本当にこのまま帰ろうと、田池氏の家に電話を入れてみた。
    期待に反し、氏は在宅した。
    「女房がお世話になっています。」
    田池氏に発した第一声がこれだ。(おいおい、言いたいことがあったんだろう!)
    こちらの思いを察したのか、「大阪の北の端から南の端までわざわざやって来たんだ。何か言いたいことがあるんだろう。あがって話して行きなさい。」
    これが始まりだった。ここで何があったか、想像にお任せするが、教化されたとか、洗脳されたとか、そんな類のことでは絶対にない。ただ本物に出会った。そんな感想しかなかった。

    それから二十余年、今、僕は退職後、田池氏の言う「人生の本当の目的」を伝えるため、本を造っている。その第2冊目の本が、塩川香世著「第二の人生」だ。(右のイラストは、「第二の人生」のためにつくった「栞」のイラスト。この絵は、重筋無力症(ぎせいバーター症候群)という難病と向かい合いながら絵を描き続ける画家、大槻ゆりさんが提供してくれた。栞の裏面には「立派な人物にならなくてもいいのです。自分自身が生まれてきた本当の意味を、心で知っていくひとになってください。」のフレーズが印刷されている。)

    塩川香世ってどんな人かというと、まず1959年3月大阪市に生まれた。
    1991年3月に税理士試験に合格し、以来、税務関係業務に従事し、現在に至っている。
    税理士であるという以外、別にどうという経歴ではないのだが、
    著書をあげると、「ありがとう」「意識の転回」「母なる宇宙とともに」機↓供 岼Δ隼爐凌深臓廖屬△覆拭△海里泙淹爐鵑任い辰討いい里任垢」がある。どうみても税務関係の本じゃないよね。
    どれも「人生の本当の意味」について書かれているんだが、この本の作り方が実にユニークだ。ぼくが本を書こうとすると、まず取材活動がある。人に会い、話を聞き、文献を漁り、それら材料に、自分の思いや意見を挟み込みながら、一冊の本を仕上げていく。いわば頭と足を使って「本」を仕上げていく。
    彼女の場合は、このプロセスを一切踏まない。頭も足も介在しない。
    ただ心を向け、伝わってくる思いを、どんどん文字にしていく作業だけがある。
    「自動書記と同じ」だって? そうかも知れないが肝心の所が違うと思う。世の中にチャネラーとか霊媒師とかいう人はごまんといるが、みんな立っている基盤が肉中心なのだ。今の肉の人生が豊かになるよう、肉が満足するよう、すべてこの基盤に立っている。この基盤に立っているから人から受け入れられやすいし、分かりやすいわけだが、これでは本当のことは分からない。いわば暗い世界に通じるチャネラーや霊媒師でしかない。
    話が逸れそうなので元へもどすが、こんな本の造り方で出来たのが「第二の人生」というわけ。今は、編集も終わり、「本」という形になって、小さな流れだが、市場へ流れ出している。
    この流れが、いつか大きな流れになり、みんなが外の世界でなく、自分の中を見直す時代が来れば、そんなことを思っている。人間に残された最後のフロンティアは、宇宙でも、深海でもなく、自分の心だと思う。

    最後に、少し長くなるが「第二の人生」から好きな一節を紹介しておく。
    決して買ってくださいと言っているわけではない。でも読んでほしいとは思っている訳で、どこかの図書館で、またはどこかの書店で「第二の人生」を見つけたら、立ち読みでもいいから読んでみてください。


    1. 人生の前半部分の後始末を…

    人間は誰しも、何時か、どこかで、自分の間違いに気付くチャンスを用意しています。
    自分の間違いとは、道義的な間違いというのではなく、自分を知らずにきたことを言います。
    自分を知らずに、つまり、自分が流し続けてきたエネルギーに頓着せずにただ目先のことばかりにとらわれて、そこだけに執心して生きてきた間違いは、何時か、どこかで正していかなければならない、いいえ、正していくようになっています。
    自分達の本質である意識、エネルギーと、自分達がこれまでに流し続けてきたエネルギーの差異は、大きいです。
    大きな隔たりであればあるほど、苦しみという形で、目の前に現象化されていきます。
    大きく隔たっているからこそ、色々な人達や、周りの様々な出来事が伝えてくれるのです。
    あなたが流し続けてきたエネルギーを知ってくださいと。
    オギャーと生まれて、物心がついて、そして、ある程度の年齢に達し、ある程度の生活を確保するまでは、みんなそれぞれの立場で、一生懸命に頑張ると思います。一般的にはそうです。
    中には、ガムシャラに生きてきた人だってあるはずです。
    その時に使ったエネルギーは、凄いでしょう。
    人が生きていくためには、生活をしていくためには、そうです、凄いエネルギーを消費していくのです。
    人生の前半、いわゆる第一の人生においては、それは、仕方がないことだと思います。
    エネルギーを出すことに必死で、そのエネルギーを検証する余裕などなくて当たり前です。
    むしろ、人の一生の中には、そのような時期がなくてはならないと思います。
    一昔前に言われた無気力、無関心、無責任を決め込んで、何もしないから、エネルギーを出していないのかと言えば、決してそうではなくて、得てして、そのような人達は、中にエネルギーを溜め込んでしまって、ある時、あるきっかけで、それが飛び出していきます。
    それよりも、たとえ、凄いエネルギーを外に撒き散らしても、勉強に、仕事などに、目いっぱい頑張って、若さの特権を十二分に活かしていけばいいのです。
    少々、羽目を外しても、失敗しても、若気の至りとして大目に見てもらえるだろうし、その気さえあれば、充分にやり直しができる時間もあります。
    躓いたり、転んだり、寄り道や回り道は、第一の人生に付き物です。色々悩んで迷って苦しんで、そういうものだと思います。
    しかし、もう、あなたは、第二の人生の時期にさしかかっている人です。
    この時期に、第一の人生と同じように、ただエネルギーを撒き散らしていくだけでは、どうもいただけません。
    同じように、悩み、迷い、苦しみながらも、今はもう、自分が出してきた、流し続けてきたエネルギーを検証していくべき時期なのです。
    現実は、そうではないでしょう。
    豊かなセカンドライフにするためにと、あの手この手のお誘いがあります。
    そういう世間の波に乗っていけば、豊かで楽しい晩年、余生が約束されるかのようですが、人生の前半部分の後始末をしないで、そういうことは有り得ないのです。
    人生の前半部分の後始末とは、繰り返しあるように、これまでに本当に凄いエネルギーで生きてきた自分の、そのエネルギーの検証です。
    そして、その検証の方法は、「母親の反省」と「他力の反省」にあるのです。
    自分が生きてきたことと、それらの反省とは、一見すれば何の関連もないようですが、このことは、あなたが実践されていけば、あなたの心で分かります。
    二つの反省をすることにより、自分は、凄いエネルギーを流し続けてきたことが、あなたの頭ではなくて、心に響いてきます。
    凄いエネルギーに突き動かされてきたことが分かるのです。
    形の世界を本物として、その中に、喜びや幸せ求めてきた思い、エネルギーは凄いことが、段々と分かってきます。
    あなたに用意された第二の人生の時間を、自分の検証に費やしていきましょう。その時間があって、しかも、そうできるあなたは、幸せ者です。
    人生の前半部分の後始末をすることによって、豊かな晩年になっていくはずです。
    晩年よければすべてよし。
    私達人間の生涯は、晩年わびしければ、やはり哀しいものです。
    日の出の勢いだった頃を、未練たらしく振り返り、命の灯が消える寸前まで、この世に執着していく人達の心の世界を思う時、ああ、その人達も、ほんの少しでも、真実の世界に触れることができていたらと思わざるを得ません。(塩川香世著「第二の人生」から抜粋)

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