久米ひろみさん「中国人の使う中国語…」/紹介HPが中国国内で発禁か?

2011.08.31 Wednesday

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      (2010年に開かれる上海万博を前に都市整備が進められる上海) 

    僕の若い友人に久米君なる人物がいる。知り合ったときは、大変な跳ねっ返りの青年だったが、その彼も今や堂々たる父親ぶり。
    これから話そうとするのは、その妹の久米ひろみさんの話。大変な才媛だが、一見ボーッとしていて、「能ある鷹は爪をかくす」を地でいったような女性だ。
    彼女と知り合ったのは、全くの偶然、久米君の妹さんと知らずに出会うことになった。
    当時、僕は政府刊行物サービスステーションという土俵で、知名度は低くても、これはという原稿を募集し、著者と一緒に読者探しをした上で出版に踏み切るという「オーダーメイド出版」をスタートさせていた。
    そこへ応募してきたのが、件の久米ひろみさんであった。彼女は中国留学から、同地で就職、結婚までしたが、出産にあたってSARSの大流行。子供は日本で育てたいと、ご主人ともども日本に帰ってくることとなった。
    日本でひろみさんは、中国で知り合った友人から、これから開く「中国語サロン」で教える中国語のエッセー風教材を作ってほしいと依頼される。
    そして出来上がったのが、この本の原稿。内容を見せていただいたが、堂々たる書きっぷり、しかもやたら面白い。中国の裏側を覗きながら知らず知らず中国語に親しめるという代物。
    これがなぜ商業出版物として通らないかと思うのだが、持っていった出版社では「関西弁を標準語に直してくれ」という。彼女は、それに応じない。確かに関西弁だからこそ、面白いし味のある原稿にもなっている。ひろみさんならずとも「それはないだろう」と思ってしまう。

    こんな訳で、私めが、この本を手がけることになった。私も学生時代、歴史学を専攻しており、中国語の文献を漢文としてでなく、中国語として読めたら素晴らしいだろうと、学業以外に「愚公会」という日中交流センターで中国語を学んでいた。女房との出会いも、この愚公会でのことだ。そんなわけで、出来はしないのに、中国語にはある種の思い入れがある。
    そこで、「中国語の箇所は、すべてピンインを打ちましょう」と提案をしてしまった。ピンインというのは中国語の発音記号で、これがついていないと知らない言葉に出くわしたとき、読めないで読書の流れが止まってしまう。
    ともかく中国語全文に正しいピンインを打つ。ところが、これが手間も時間もかかる大変な仕事。知り合いの京都国際交流センターのAさんに相談を持ちかけた。彼女は同センターで留学生の相談に当たっているが、彼女の知っている中国人留学生に、この仕事を手伝ってもらおうという次第。

    幸い、大学院卒業後も日本企業に就職が決まった優秀な中国人留学生を紹介してもらい、なんとかピンインの問題もクリアし出版に漕ぎ着けることが出来た。

    何度も言うようだが、この出版システムの特徴は、制作と同時に読者募集をかけるという点にある。本がないのに読者を募集するわけだから、詳しい案内ホームページが必要になってくる。このホームページで、この本が、従来の中国語テキストとどう違うのか、どれだけ内容が面白いのかをPRしないといけないわけだ。当然、ホームページづくりにも力が入るわけだが、あるとき、中国在住の日本の方だと思ったのだが、ホームページについて国際電話で問い合わせをいただいた。
    「中国でも、以前まで案内のホームページは見ることができたのですが、最近になって見ることができなくなりました。ホームページを止められましたか?」という問い合わせだった。
    もちろん、止めるわけがない。日本ではちゃんと見られるのに、中国では最近になって見られなくなったという。何度かやりとりしているうちに中国の政府機関に止められたという結論になった。
    問題は、同書ののコラム欄「すごいぞ中国人」の「北京編」「蘇州編」にあった。上海万博開催をひかえて、中国の素顔をさらけ出すのが憚られたのではないだろうか?!


      (問題のホームページ)

    では、本文から、「すごいぞ中国人」の北京編を紹介して、このブログを終わることにしよう。
    (なお、この「中国人の使う中国語 使わない中国語」は、著者のご厚意で、デジタル版を下記のサイトで全文無料公開しております。中国、中国語に興味のある方は、下記サイトからダウンロードのうえ、この本の面白さをご堪能ください。)
     iPadzine  http://www.ipad-zine.com/b/1259/
      paboo  http://p.booklog.jp/book/33289
      DEPデジタルライブラリー http://uta-book.com/dep/works00.htm



    「すごいぞ中国人」北京編

    ここでは北京の街角で見たすごい中国人を紹介。日本人から見れば「すごい……」と思えることも、中国ではごく普通のこと。

    ・ 白いワンピースに腋毛ボーボー
    故宮を観光し終わって、故宮北にある「景山公園」という小高い丘に登っていた時のこと。前から真っ白なワンピースを着た女性がやってきた。「わぁ、きれい!」と思った瞬間ゲンナリした。ノースリーブの下から腋毛がボーボーに生えてる!白いワンピースやから、それはもう目立つ!
    中国の女性は、腋の下の毛はそのままにしてることが多い。夏は気を使ってほしい。

    ・観光地でパジャマ
    北京の観光地に行ってよく見かけた中国人、それがパジャマを来て観光してる人。時々空港でも見かけたことがある。なんでパジャマなんか着てるんやろう……?

    ・観光地での写真撮影
    中国人は写真撮影に命を掛ける。グラビア写真のようなポーズを取る。例えば、湖のほとりに小さい岩があれば、どんな手段を使ってでも、何としてでもその岩に這い上がろうとする。そして、今まで必死に岩を這い上がってたくせに、カメラを向けられた途端、急にすごいポーズを作る。

    ・赤ちゃん丸裸、自転車の籠の中
    北京の夏は暑い。オーブンの中におるみたい。……かといって、赤ちゃんを丸裸にしとくことはないやろう。しかも驚いたのは、自転車の籠の中に丸裸の赤ちゃんをポーンと入れたまま自転車こいでる。

    ・赤ちゃん股割れズボン
    最近日本のテレビでも紹介されたけど、中国の赤ちゃんは股割れズボンを履いてる。大きい子なら、五歳くらいまでは股が割れたズボンを履いてる。見た目はごっついかっこ悪い。男の子やったら前から見たらおチンチン丸見えやし、後ろから見たらお尻が見えてる。でもこれが優れものと言われる訳は、用を足したくなったら、パンツを脱がんでもそこで屈むだけで用が足せるからや。
    中国におったら何度も目にするのは、スーパーとかお店の出入り口でシーッとおしっこをしてる子供がおること。どこでもかしこでも用を足してる。一番最悪やと思ったのは、北京そごうの店の中で用を足してる子供がおったこと。それも、エルメスという高級ブランドのブースのまん前で!ああ……

    ・スカーフを頭からすっぽり被って自転車運転
    北京や天津は黄砂がある。ひどい日になると、外で喋ることもできへん。いっぺんに口の中が砂だらけになってしまう。それほどひどい黄砂の中で、自転車を運転するのは大変や。そこで中国人が考えたのが、スカーフを頭からすっぽり被って首で巻き付け固定する技。スカーフは半透明やから、頭と顔をすっぽり覆っても前は見える。これはグッドアイディアや。黒っぽいスカーフやったら、一瞬銀行強盗かと思うけどな。

    ・公衆トイレ
    昔、中国の家にはトイレがないところが多く、北京やったらみんなが日常的に公衆トイレを使ってた。そんな街中にある市民の公衆トイレに入っていくと、大抵中は壁で仕切られてブースに区切ってないし、ドアも何もなくて、溝があるだけ。それも、一時間に一回水が流れるだけやから、前の人のものが残ったまま……。
    このトイレ様式にも驚くものがあるけど、トイレ文化にもすごいものがある。既に中で用を足してる最中のおばちゃんがおるのに、後から入ってきたおばちゃん、ズボンをずり下ろしながら入ってきた。そして二人で用を足しながら会話してる(彼女たちは知り合い)。中国人は人前で用を足すのは結構平気らしい。
    でも、最近の観光地とか百貨店とかのトイレは、ちゃんとブースがあるのでご安心を。(但し、鍵をかけないで用を足す人が多いので、ドアを開ける時は要注意。)

    ・男性のズボンまくり上げ
    夏のレストランでよく目にするもの。それが、男性がズボンを太ももまでまくり上げて食事をする姿。結構エリートそうなスーツを着た男性でさえ、ズボンをまくり上げてる。あと外でよく見かけるのは、Tシャツを胸まで捲り上げて、乳首が見えてる人。そんなんでええの?

    ・女性のパンスト
    中国のパンストは質が悪いからたるんでる(フィットしてない)。あと、くるぶしまでのパンストとか、膝までのパンストとか履いて、パンストの切れ目が見え見えや。スカート履いて、靴下的にパンスト履いてる。あれはごっつい格好悪いと思う。

    ・歩きながら本を読む学生
    大学のキャンパス内で、よく歩きながら本を読んでる学生を見る。そんな学生、日本では見たことがない。中国の学生はほんまによく勉強する。すごいと思う。
    なんで部屋とか図書館で勉強せんと、外で歩きながら勉強するんか? 最初は不思議に思ったけど、理由を知って、彼らのことをもっとすごいと思った。中国人の寮は、ものすごく狭い部屋に四人から六人がすし詰めにされてる。部屋にはベッドしかなくて、とても勉強するスペースはない。そしたら図書館はというと、席の空きがほとんどない。ほな、必然的に外で勉強するしかなくなってくる。今の日本では見られへん苦学生の姿や。

    ・国営百貨店、喋りながら仕事する店員
    客がおるのに、台に肘をつきながら喋ってる店員の何と多いこと。百貨店だけとちゃう。中国人は喋りながら仕事するのが普通と思ってる(現在の競争社会で、上海とかの大都会の若者は変わってきてるけど)。「私語」っていう感覚がない。昔、国営企業では個人の能力とか仕事量に関らず給料が一律やったから「サボった者勝ち」みたいな悪い習慣が根付いてた。そのなごりを国営百貨店の服務員の態度で見ることができる。

    ・乗客がおるのにガソリンを入れに行くバス
    バスが路線から外れたと思ったら、ガソリンを入れに行く。乗客はガソリンを入れてる間、ずっとバスの中で文句も言わんと待ってる。なんで乗客乗せる前に行っとかへんねん!でも、こんなバス、私は留学中に何回も乗った。今でもあるんやろうか……?

    ・よく故障するバス
    街でよく故障して止まってるバスを見る。私もたまに、乗ってるバスが途中で故障するのに遭遇したことがあった。黙ってバスから降りて故障を直しに行く運ちゃんもおれば、「お〜い、みんな乗り換えてくれ〜!」と言ってくれる運ちゃんもおった。「シャオフーズ!(兄ちゃん!)」と叫んで若者を外に出し、みんなでバスを動かす指揮を取った運ちゃんもおった。普通、客使うか?


      (陽朔のタクシー運転手のおばさんと一緒に……桂林)

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