我が家に「iPAD」がやってきた!

2010.07.03 Saturday

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    今までにも「電子出版」の話は何度か起こっては消えしてきたようだ。 何が邪魔をしたかといえば、日本の流通制度が、まずあげられるが、ついで大きいのが電子図書を読むビュアーの問題だろう。
    まずパソコンだが、これは電子出版を読むビュアーとしては不向き。メールを書いたり読んだりすることには、パソコンは向いているが、いかにノートパソコンが小さくなったとはいえ、パソコンは仕事の感覚が付きまとう。パソコンに向かってくつろいで本を読もうという気にはならない。
    そこで電子図書のリーダーが必要になってくる。かつてソニーやパナソニックが、このリーダーを開発したが、流通制度が弊害となって、それで読める本が限られる上に、貸本のように料金を払ってダウンロードしているのに、期間が来れば消えてしまうという代物だった。出版流通を崩さないようにというか、既存の出版流通機構に気兼ねしての苦肉の策だったようだ。しかし、こんな中途半端なものにユーザーが飛びつくはずもなく、日本で起こりかけた電子出版の灯は、そのまま自然消滅してしまった。

    そして現在、電子出版を読むためのリーダーは、アメリカでヒットし、日本へやってこようとしている。eペーパーの採用で、かなり完成度の高いリーダーが用意されるようになってきたが、ここで起こってくるのが、日本語という壁。
    今、漢字を使っているのは日本と中国。韓国はハングルを採用し、横書き文化に変わってしまった。その中国も、横書きを採用し、いまや縦書きで文章を書くのは、日本一国になってしまった。かたや電子図書を読むためのリーダーは、横書き左綴じに設定されている。どういうことかというと、読書リーダーの場合は、人間が機械に歩み寄るのでなく、機械が人間に歩み寄ろうとしている。つまり紙で読んでいる感覚を機械でも再現しようとしている。指でページをめくるような感覚で、画面を右から左へ指でなぞることでページ送りができるようになっている。ここで注意しないといけないのが、右から左へなぞるというのは、あくまで横書き・左綴じの感覚なのだ。これが縦書き・右綴じだと、左から右へ画面をなぞる感覚となる。アメリカが日本へ電子出版で殴りこみをかけるためには、日本一国のために、このシステムを改良しないといけないことになってくる。

    実は、昨日、我が家に「アイパッド」が到着した。早くから申し込んでいたのだが、超人気商品のため製造がおっつかないのだろう。やっと昨日になって到着した次第。アイパッドは、読書専用の端末機ではなく、ゲームもできる、音楽も聴けるという汎用機だ。本を読むことに特化して作られていない。このため、大きさもB5サイズと少し大きめ。しかしパソコンで文章を読むというストレスは感じさせないし、画面もバックライトのため驚くほどきれい。きれい過ぎるので、文章を長時間読むと、やはり目が疲れる。地味でも、電子ペーパー採用の反射光で読む専用リーダーのほうが、読書のためには優れているだろう。しかし、そのアイパッドでさえ「本」を読む気にさせてくれる。パソコンで読むには、「読むぞーっ」と気合を入れてかからねばならない。それが布団にごろ寝しながらでも読めるし、読書という行為に違和感なく入っていける。そのうえ電子図書ならではの便利さ、紙に比べ文字がすこぶる読みやすいのだ。リーダーを縦にしたとき、一ページ丸ごとが一字一字の文字まで判別できる状態で無理なく視界に捉えられる。「これは読みやすい」と感動した。画面を横にして見開きで読むという手もあるが、老眼の目には、このスタイルがなんとも心地よい。
    しかし、今の時点ではアイパッドにしても、システムとして縦書き・右綴じに対応していないので、作る側(出版社側)でソフトとして対応しないといけない。僕も試しにいくつかの本をPDF形式でアイパッドに登録して読んでみた。PDFをパソコンで見たときに起こるぼんやりした感じはなく、シャープで読みやすい画面になっており、快適に読書を進められる。ところがページを送るのに違和感が付きまとう。縦書きなのに、右から左へページを送っていく。縦書きなのにページ送りが、横書き・左綴じの感覚なのだ。これは画面の見安さに比べ、いい感じとはいえない。

    しかし、この問題はソフトでも対応できるし、システム面でも改良が加えられるだろう。今年秋から年末にかけて、アメリカからも読書リーダーは入ってくるだろうし、日本でも日本語に適したリーダーが開発されると聞いている。そうなれば、読書端末機も安く提供されるようになってくるだろうし、今度こそ電子図書の時代がやってくるように感じられる。少なくとも、老眼鏡が離せなくなった私にとって、アイパッドで本を読む、あの快適さは魅力だ。 
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