伊予から阿波へ/出張紀行 vol.3 阿波の土柱で

2010.06.12 Saturday

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    伊予鉄高島屋

    6月8日午前10時40分、伊予鉄道松山市駅そばの市営駐車場に車を止め、松山での営業活動を開始する。まずは伊予鉄高島屋内にオープンした紀伊國屋書店松山店を訪問。その後、千舟通りにあるジュンク堂書店松山店を訪ねようと、通りがかりの人に道を尋ねる。
    「千船通りなら、この向こうの通りだけど、ジュンク堂……?」
    二人の人に尋ねるが、結局、知らないようだ。 これが紀伊國屋や明屋書店の場所なら、すぐに答えが返ってくるのだが、まだジュンク堂さんは松山では馴染みが薄いようだ。
    ともかくジュンク堂書店訪問も、銀天街にある明屋書店訪問も終え、後は、懐かしい顔の待つ奥道後温泉に向かうだけだ。ここで松山の読者の方と昼食会がある。
    昼食会の後も、松山市内での書店開拓は続き、その夜は奥道後ホテルに泊まることとなる。

    奥道後温泉.jpg

    夕食後、ジャングル温泉で疲れを癒す。「一泊で26の湯巡り」が、奥道後ジャングル温泉のキャッチフレーズだが、上の案内にも書かれてあるように、結局は2種類の源泉が元。一つは昔から湧き出している「単純硫黄泉」。いま一つはラドンを多く含む「単純弱放射能泉」の二つの湯だ。だから忙しそうに26を渡り歩く必要はないということ。
    翌朝も早朝から温泉を楽しみ、8時にはチェックアウトをして徳島へと向かう。
    徳島の読者の方と、高速道路「阿波」のパーキングエリアで落ち合う予定なのだ。

    愛媛から徳島へ.jpg

    このトンネルの途中から徳島県となるのだが、松山を出てからすでに2時間以上が過ぎている。途中、川之江インターの分岐を間違えたため、それでも予定時間より20分遅れだけで「阿波パーキングエリア」に到着した。

    高速阿波パーキングエリア.jpg

    土柱温泉.jpg昨夜、ホテルから徳島の読者Fさんに電話をしたが、そのときは風邪にかかったということで辛そうにされておられた。そんなわけで今日は会えないかもしれないと思っていたが、我々が到着したときは、すでに阿波のパーキングで待ってくれていた。決して風邪が治ったようには見えないのに、「ここはパーキングに車を止めたまま、高速道路から出られるのよ」と、僕たちを案内して「土柱ランド」というところへやってきた。
    僕たちに、天然記念物の「土柱」を見せてくれようというのだ。
    ところでFさんは、僕の前の勤め先「かんぽう」に遊びに来られたことがある。Fさんのところで働いている男性の方が、登山家でもあり、ヒマラヤのトレッキングに挑むというので、現地ネパールで「何か困ったことがあったら相談に乗ってやってほしい」というわけだ。「かんぽう」はネパールに「かんぽうネパール」という子会社を持っているので、そのマネージャーを紹介することになった。
    しかしネパールではなにも問題は起こらなかったのだろう。パタンの事務所には顔を出されることも、電話がかかってくることもなかった。
    めでたし、めでたしというところだが、問題は次の年、日本で起こった。ヒマラヤ登山に行かれた翌年の正月、国内の登山で遭難され、その男性は帰らぬ人となった。
    Fさんも、相当ショックだったのだろう、登山家でもあり、詩の才もあったその男性の「遺稿集」を発行できないかと相談を持ちかけられたことがあった。彼女自身も、大手出版社の依頼で絵本の絵を描くほどだから、作れば作ったで、かなり完成度の高い「本」ができたかもしれない。
    土柱ふれあい広場で.jpgふと見ると、「土柱」探索の足場になる駐車場の隅に山羊の小屋があった。隣にはウサギ小屋もあり、そこに一枚の紙が、ガムテープで留められていた。「{うさぎ ヤギ}大すきな人にさしあげます」と。

    そんな光景を横目に、展望台へ続く坂道をFさんを先頭に、僕と連れのOさんが登っていく。
    今回Fさんとお会いした大きな目的は、Fさんの絵本作家としての活動に興味があったからだ。彼女は「意識の世界」を絵本という媒体で、多くの人に伝えることができないか、その思いをずっと抱えておられた。そのことで進展があったかどうかも確かめたいし、まだ進展がないなら、お会いすることで、何か変化が起こるかもしれない、そんな漠然とした目的があった。

    やがて「土柱」を一望できる展望台へでた。
    案内板には「土柱」について次のような説明がかかれていた。

    ◇天下の奇勝・阿波の土柱
    自然が創った芸術品、130万年前の地層をのぞかせた土の群立で、扇状台地が風雨に浸食されてできたものです。
    尚、阿波の土柱のうち波濤嶽は、昭和9年5月1日に国の天然記念物に指定されています。
    アメリカのロッキー、イタリアのチロルに見られる土柱と並んで、「世界三大奇勝」とされています。

    この土柱を見晴るかす展望台で、しばらくの間、Fさんとの歓談の時間を持った。ここでの話がどんな実を結ぶのか、自分にとってどんな流れを産み出すのか……

    Fさんの運転する車が、僕たちの前を通り過ぎていった。運転席で、Fさんがいつまでも手を振っているのが見えた。

    土柱001.jpg

    土柱の案内板

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